買う物は勇気とほんのちょっとの希望
楽天のアンケートで「買い物はよくする方ですか」という項目があった場合他の項目にはみ出すくらいの丸で「いいえ」を囲みます。英語の授業以外でショッピングと発音したことがありません。アウトレット?なんだクリント・イーストウッドの新作映画か?くらいの感覚です。
それでも年に1回は私にまとわりついている雑音を振り払い(誰が何を言っているわけではないが)武蔵丸でも背負ってるのかってくらい重い重い腰を上げ買い物に出かける。
その1回とはそう。泣く子も黙る年始の初売りである。それまでテレビが壊れEテレしか映らなくなろうが、パソコンのキーがHしか打てなくなろうが初売りまで我慢している。
理由は特にない。ただ、多くの人が列挙するあの電気屋の雰囲気と待ってましたと言わんばかりに待ち受けている狩人達の罠に自ら引っかかりに落とされに行く自分が不思議と好きなのである。
わかってはいるのだ。世の中休みだなんて関係なく半袖のワイシャツと何者からか身を守る防弾チョッキを着た奴等に口撃されるのは。
「今日はどうなさいました!!!」朝からそんな大声でお前は猪木かと思うが、この言葉こそ私にとってあけおめことよろ以上に新年を迎えるお迎えのお言葉だ。
何よりその活気に飲み込まれついつい余計なものまで買ってしまうのが気に食わなかったのでこっちだって「はははっは!!戦争じゃい!!」くらいのテンションでここ数年はアジトに乗り込んでいる。予算は家で作るものじゃない!!現場で作るものだ!!
結果は惨敗だ。レアルマドリードなら監督が解任され選手の家には豚の死骸や裸の女性の写真があちこちに貼られることが起きるくらい惨敗だ。だからこそ勝ちたい。
いや誰にだよっていう話だが。
こうして私の一世一代の買い物が始まる。世の中がお餅と駅伝に心浮かれている頃、財布とほんのちょっとの勇気を手に持って「買い物」という一世一代の勝負に乗り込むのだ。それが私の買い物だ。
今年はパソコンが壊れた。電源を入れると平泉成みたいな声が聞こえる。重症患者だ。
どうか今年は穏便に穏やかな勝負を狩人民と繰り広げたいものだ。値引きは当然の宿命だ。ここ最近で学んだのは値引きは気持ちだ。家なき子の安達祐実スタイルだ。同情するなら200円まけてくれ!。ついでにおまけを貰う。今年からのチャレンジだ。マウスパットでもなんでもいい。羽生善治のように相手を追い込みここぞの飛車角落ちで「参りました」言わせてやる。
どうか私の戦いをNHKさん中継してほしい。世の中にはメディアが作り出した「初売り」というイベントに手に取られたように踊らされる若い国民がいることをクローズアップ現代で放送してみてはいかがでしょう。
それこそが私の「買い物」であるり、新年のプレイボールだ。